活動報告

まちづくり

目黒川の水質改善について(都市環境委員会)

2019.6.18(火)
『目黒区何やるの?報告』

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桜の名所、目黒川。

“インスタ映え”ブームも相まって、今年は例年以上に大勢の観光客が来訪し、川最寄りの中目黒駅では開花中の3月31日に平均を6万人上回る25万6千人の方が乗り降りされるなど、目黒区の一大観光スポットになっています。


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その目黒川、実は積年の課題を抱えています。
それは“悪臭”と“白濁化”

天気が安定している日はまだいいのですが、【大雨が降ったとき】にはさぁ大変。翌日以降、ペンキを流したような水面と鼻を衝く異臭の川が現れます。

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その理由は…
目黒区全域でコストの安い《合流式下水道》を使っているから。
(図のピンクの部分。23区はほとんど合流式。)
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合流式下水道とは、
汚水と雨水を同一の管で処理する方式のことで、晴天時や少しの雨くらいであれば、全量を水再生センターへ流せるのですが、大雨が降って汚水+雨水が多量になると、水位が分水堰を超えてあふれ出し、目黒川へと流れていってしまいます。
雨水で薄められるとはいえ、汚水がそのまま川へ流れだすのですから、そりゃあ臭いもするし色も付きますよね。
 
ん?先月の防水訓練の際は意識していませんでしたが、もし大雨で目黒川が氾濫でもしたら、軒先に雨水+汚水が襲ってくるってことですよね…?!
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目黒区も黙ってみているわけではなく、再生水を川に導水して流れを早くしたり(滞留しなくなる)、河床のヘドロを除去したりと試行錯誤しているのですが、この度の都市環境委員会において、新たな方策が示されました。

名付けて、【高濃度酸素水の供給】作戦。

主に飲料用と化粧水として使われる高濃度酸素水を目黒川に流すことで、悪臭の原因である硫化物を底の方へ押し込んでフタをする、とのこと。

上の図のように、区として3案をシミュレーションで比較し、一番効果があった対応策で、
向こう4年かけて検討し、令和5年度以降に稼働となります。
「あと4年も悪臭と戦うのか~長いな~」と思うのはまだ早くて、さらに留意すべきは、これでもあくまで短期的な対策だということ。「大雨が降ったら汚水が流れる」ストーリーは何も変わりませんので、根本的に川がきれいになるわけではありません。
正攻法できれいにするなら、合流式下水道を分流式下水道へ作り変えたり、雨水が川へ溢れないように貯留施設を大きくする、という工事が必要で当然費用も膨大にかかります。
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さらにややこしいのが、下水道は“区”ではなく“都”の所掌なのです。

都の下水道局には分流式下水道に変える意向はなく、区としても都の補助がないと工事は難しいとのことで、都と区のあいだの膠着状態(=問題の先送り)は長引きそうです。

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「もういっそのこと、自然由来の洗剤で汚物を分解するなど突飛な策も必要では?」と委員会で質問し、部長に軽く返り討ちにされたのはここだけの話。
(区議会HPで議事録公開中)

さらなる検討が必要です。
いいアイデアがあればご教授ください。

次回の『目黒区何やるの?報告』は…
【西小山駅前の再開発】について投稿します。

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